二人の彼~年下の彼と見合い相手の彼 ~

三人が帰ってしまうと、また、私たち二人きりになった。


「頼まれごと聞いてくれる?」
荻野君が淡々と言う。

「はい」

「ん、ちょっとこっちに来て」
彼がベッドに入って、体を横にしたいと言って私を呼んだ。

「手伝おうか?」

「ん、お願い」
下手に動かすと、体が痛むのか動作はゆっくりだ。
痛みが来ないように慎重に腕を入れる。

「つかまっていいかな?」

「うん。じゃあ、腕回して」
ベッドに座って、体をねじるようにして彼の方に体を向けた。

私は、彼の体をベッドに無理なく横にすることしか考えてなかった。

なので、彼がそのまま体重をかけて来て、あっさり私を下敷きにして上に乗っかって来たのを拒めなかった。

「痛っ!」

「荻野君、大丈夫なの?やだ。起きて?」

私は仰向けになって、その上に荻野君の体が重なってる。

「大丈夫?荻野君?」

「ああ、大丈夫だ」

そっと頬を撫で、指に髪を絡ませている。

「荻野君、何やってるの?」

「さっきの続き。ずっとご無沙汰だったから、もう限界」

「ちょっと!何するの?」

「何って、騒ぐとうるさいから、その口をふさぐだけ」