「えっと、初めまして。森沢と申します」
私は、丁寧に頭を下げる。
荻野君が説明してくれた。
「彼女は会社の部下なんだ、一世に居合わせてくれてて、ずっとついててくれてる」
「ずっとって、会社の人にそんなことまで頼んで……」
「おばさん、彼女は単なる部下じゃないから」
ええ?
荻野君、断言しちゃってる。
「まあ、そうなの?」
「うん、そういうことだから心配しないで」
そういうことって。
勝手に決めちゃって、どうするのよ?
「まあ、そうなの?とうとうそういう人が出来たのね?」
「はい」
はい?ですって。
「荻野君?ちょっと待って」
彼は、私のことなんか無視して親代わりの両親に向かって、彼女が出来たみたいな雰囲気を作り出している。
「よかったわね。でも、体の悪いところはちゃんと直すのよ」
「はい」