夜が明けてから、私は、彼を担当する看護師さんと話した。
看護師さんによると、荻野君はしばらく検査が続くらしい。
その間に、私は会社に戻って様子を見に行って、その帰りに必要なものを揃えておいた方がいいということになった。
。
「荻野君?」
「ん?」
部屋に戻って、すぐに確認する。
「彼女に連絡した方がいいのかな?」
「連絡って、誰に?」
「誰にって。昨日は携帯の暗証番号がわからなくて電話しなかったけど……」
「自宅って、俺の自宅?なんでかけるの?俺、病院にいるのに、誰もいない家にかけるの?」
彼は、思いもよらない顔で私を見ている。
「だって、彼女が心配して家で待ってるかもしれないって思ったから」


