「森沢さん、こんなふうになって、俺ずっと考えてたんだ。君が俺のこと、どんなふうに考えてるか、それが、いかにに大事なのかってことも。
俺にとっては、生きるか死ぬかっていうくらい重要なことだと思ってる」
私は、彼が無理しなくていいように、楽に話せるように顔を近づける。
「いくらなんでも、生きるか死ぬかだなんて大袈裟よ」
両手で温めるみたいに、彼の手を包む。
こういうことをするのは、私の役目じゃない。
でも、こんなに傷ついてしまってる人を少しでも勇気づけてあげたい。
「君が誰かのものになって、永遠に手に入らないって思ったら、もう、どうでもよくなっちゃったんだ。自暴自棄になって、自分のことなんて、どうなってもいいと思ったんだ」
「どうでもいいって?」


