『特別な人』って、
さっきの私の話聞いてたの?
あの時って、荻野君、意識なかったんじゃないの?
聞いてないと思って、告白したんだけど。
それを、聞いてたってこと?
どうしよう。
聞いてるなんて、考えてなかった……
あんな告白みたいなの聞かされても、困るって言われたらどうしようか。
それより、ごめんって謝られるのがもっと嫌だな。
ナースステーションに向かう廊下で、独り言を言いながら考える。
『そんなこと言ってない』って誤魔化そうか。
私は、彼の意識が回復したことを看護師さんに伝え、病室に戻った。
彼、眠ってないかな。
そうしたら、返事するの、先延ばしできるのに。
荻野君は、部屋で私の帰りを眠らないで待っていた。
「君は、俺のこと特別だって思ってくれてるの?」
まだ、その話をしたいらしい。
「特別に決まってるじゃないの。
それに、今、そんなこと話さなくても」


