二人の彼~年下の彼と見合い相手の彼 ~

「無事っていうことは、大丈夫だったんですんね?」ほっとして、力が抜けた。

「はい。でも、出血した量が多いですから、様子を見ないといけませんが」

「ありがとうございました」

「後で、病室に案内します」

「はい」私は頭を下げてお礼を言う。



高岡さんの方を向いて、
私は、仕事の話が途中になってしまったことを詫びた。

「会社とも、確認を取り私が課長の代わりに対応しますから、お願いします」と頭を下げた。

「分かってる、もちろんこっちも、そのつもりでいるから。こんなことで、仕事に影響しないよ」

「ありがとうございました」もう一度お礼を言う。

「いいって。後のことは、落ち着いたら話そう。それじゃあ、俺はこれで、いったん帰るよ」と言って帰って行った。

それからしばらくして、

荻野君は、眠ったまま病室まで運ばれてきた。

運び込まれた病室は個室だった。

まだ眠っている。

荷物を置き、眠っている彼の顔をのぞき込んだ。

「痛かったでしょうに。どうしてこんなになるまで、我慢するのよ」