料理が用意され、テーブルに上品な懐石料理が並んだ。
「お昼の食事は、お弁当という形なんだけどなかなかいいと思うよ」
高岡さんが説明してくれる。
男性三人は自然に仕事の話を絡めて、会話が続いていた。
私は、隣にいる荻野君の様子が気になっていた。
荻野君は、相変わらず料理に手を付けられず、うつむいてみぞおちの辺りを手で押さえている。
こんな姿見せたことがない。
余裕がなさ過ぎる。
やっぱり、変だ。
相当悪いんだろう。
幸い、まだお昼になったばかりだ。まだ時間が早い。
引きずってでも病院に連れて行こう。
「ん?」
高岡さんが気にしだした。
私が、荻野君に何か言う前に、何かあったのかと高岡さんが視線を送ってくる。
たまりかねて私から切り出した。


