「今から、伝手を探して生産お願いしますってできるかよ」
白石君が、すでにあきらめムードで言う。
「そうだな。うちとは付き合いなかったからな」と加藤さん。
「植物の細胞をタンクで培養するっていう技術はすでに完成されていて、丸菱工業では大量生産も可能だって聞いてます」新井さんがフォローする。
「上から頼んでみようか」
荻野君がようやく口を開いた。
「丸菱の人に聞いてみようか」
私は、高岡さんの顔を思い浮かべながら言う。
「森沢さん、知り合いいるの?」
梨花ちゃんが面白そうな顔をで私を見る。
「丸菱工業じゃないけど、商社の人なら一人いる。以前繊維も扱ったことがあるって聞いたから。聞くだけきいようか」
「ああ、そうしてくれ」


