二人の彼～年下の彼と見合い相手の彼 ～

「じゃあ、あなたが決めるってことね」

「私が？どうして？いつの間に、私、そんな責任背負ってるのよ」

「誠君じゃ、あのお母さんに対抗できるわけないでしょ？」

「っていうと？」
何となく、頭には３０代にもなってる息子が、母親の言う通り、結婚までするはずがないって思ってた。

でも、相手は、あの敏子さんだ。
反抗するくらいなら、いうことを聞いて彼女の支配下から逃れた方がいいと思うかもしれない。


「半年後に結婚式ね。来年の今頃は妊娠三カ月よ」
叔母が自信を持っていう。


「えっと、どうしてそうなるの？」

「だって、そうなってるじゃないの。見事に敏子さんの希望通り。私、ちゃんと忠告したわよね？大丈夫って」

「はい」

「もう、遅いかも。お見合いって言って来た時には、やばいって思ったんだけど。もう、抵抗しても、無駄かもね。だったら、潔く覚悟を決めて敏子さんとこの嫁になれ」

「そんな……冗談でしょ？どうしてそうなるのよ」

「ん、でもあんた、もう片足突っ込んでるじゃないの」