二人の彼~年下の彼と見合い相手の彼 ~


週末、の事があってから、前のめりになる母を何とか抑えて過ごした。

このまま時間が過ぎてくれれば、忘れてくれるかも。
淡い期待をしてみたけれど、相手は敏子さんだ。

静かにしてく入れてるのは、忘れてるわけじゃない。
機会をうかがってるのだ。

確かに、手際の良さは半端ない。
決定的証拠を突き付けられて、反論しようって気にすらならない。

あの、高岡さんも、半分あきらめて来てる。
電話口で、落ち込みながら、婚約ぐらいしてもいいかって言い出した。



「いっそのこと、流されるか」なんて弱ってる高岡さんに喝を入れなきゃっ。
そう思ってた頃、叔母からメールをもらった。

「大丈夫?」

たった、それだけ。

短いメールだけど、それで十分、内容は通じた。

週末まで待たずに、すぐに、私は叔母の家に行った。



「どうするのよ」

思ったより、叔母が深刻に受け止めていたので、私の方が驚いた。

そんなに気にしなきゃいけないこと?
もしかして。そんなに深刻な話なわけ?


「誠君だっけ?彼は?なんて言ってるの?」
叔母は、イラつきながら私に質問してくる。

「彼の気持ちは、そうね。まだ、決めたくないんだけど、自分からは断れないって思ってると思う」多分、それでいいと思う。