二人の彼~年下の彼と見合い相手の彼 ~

「どういうこと?」

「ちゃんと、独り立ちして頑張ってねってこと。会社からも期待されてるんだし」

「どうしたの?会社辞めるとか?」

「だから、やめないって」

「そうか。だったらよかった」いいのかい?

「うん」

だんだん、愉快になって来た。
もう、どうにでもなれってんだ。

そうして、最後の方にはゲラゲラ笑っていた。

「よかった。会社辞めてどこかに行っちゃうのかと思った」

「いや、やめられないよ。稼ぎ手は私しかいないし。結婚するまではね」

「結婚か……まだ、考えられないな」

「そうでしょう?まだ、二十代だもんね」

「ん……」

私は、真っ暗闇の中、真っ逆さまに落ちて行った。