二人の彼~年下の彼と見合い相手の彼 ~

「えっと……」

私と高岡さんは、並んでソファに座らされた。

二人とも、30歳を超えた大人だ。
同じ部屋で一晩過ごしたからと言って、責められる理由などない。

けれど、この人の前では別だ。

高岡敏子さん。

彼のお母様だというのと同時に、私の母の中高の先輩である。

敏子さんは、いきなり私たちを責め立てるようなことはせず、ゆっくりと急須にお湯を注いでお茶を入れた。

ピリピリしたところもなく、

「あなたたちも、いかが?」などといれたお茶をすすめてくる。


「お袋、えっと、これは……」
一気に立場が悪くなった。

高岡さんがこんなに慌ててる。