二人の彼~年下の彼と見合い相手の彼 ~

君の方は?

と、聞かれて素直に答えられた。

今まで、胸にしまっていた、苦い感情を、この人の前なら、
吐き出しても大丈夫。

そんな気がした。

淡々と話した。

荻野君のことを。

「以前、仕事で一緒だった人で、また一緒に仕事することになったんです。

久しぶりに会ったら、彼のこと、ずっと好きだったってことに気が付いたんです。

幸せだなあと思ったんです。

でも、そのあとすぐに、相手には私よりもっと大切な人がいたって知らされましたけど」

途中まで、優しく聞いていてくれたのに、急に厳しい顔になった。