「どんな人なんですか?きれいな人?」
彼の顔から、相手の姿が感じられる。
思いつくまま、受け取った印象を口にする。
「ああ、きれいで、強くて。優しい」
こんなふうに言われる人が、羨ましいと思う。
「もしかして、それって、のろけてますか?」
「のろけたいけど、一度も俺のものになってくれない」
「片思い何ですか?まさか!」
しまったと思って、口をつぐんだけど、彼の方は気にしていない様子だった。
「頑張ったんだけどな。まったく相手にしてくれない」
「そんなことないでしょう?高岡さんみたいな、こんな素敵な男性、なびかない女性の方がおかしいんです」
「嬉しいこと言ってくれるじゃん、今日は、たくさん食べて、飲んでよ」
やっと、笑ってくれた。
ほんの少しだけど。


