「くるみ豆腐、お刺身のお造り 、鶏肉の治部煮……
どれもおいしくて、いくらでもお腹に入ってしまいます」
テーブルの上に、懐石料理のような手の込んだ料理が並んでいる。
1つ1つ小鉢に入れられて。
とてもきれい。
その料理を入れる小鉢の一つ一つが、形も柄も志向の違うもので美しい。
北陸の方の料理の店と、お店の看板に書かれていた。
料理の味の方も、上品で優しい味の物ばかりだ。
「この店は、金沢の郷土料理の店で、どれも上品な味で美味しいよ」
「はい」
見た目にも美しくて、箸をつけてしまうのがもったいない。
でも、今日の本当の目的は、食べることじゃない。


