二人の彼~年下の彼と見合い相手の彼 ~

叔母の言い方は、いつになく大げさで大して気に留めることじゃない。と思うことにした。

叔母さん、考えすぎだよ。


『知らないうちに彼が、葉子の夫になってても私は知らない』

そんなバカな。

あり得ないでしょう。


心では、そう思ってても、私は母に対して、いうことをよく聞く生徒役を止めることはできない。母が望むことを先回りして、自分の希望だと思い込んでしまう。

叔母は、そのことをよく知っているのだ。



それからすぐに、高岡さんにメールをした。

手遅れにならないように。

叔母の忠告はきちんと聞こう。


――業務連絡。至急お話したいことがございます。ご都合の良い日を教えていただけますか?


了解と返事が返って来て、私たちはその週のうちに会うことになった。