二人の彼～年下の彼と見合い相手の彼 ～

「それで？どうするつもりなの？」
いけない。油断してた。

「どうするって。まだ……決まってない」
それは、本当のことだ。

「決まってないねえ。結婚はするんでしょう？」
叔母が探るように聞いてくる。

「えっと……」

「まさか、それすら決まってないの？」
冗談でしょうと目を大きくする。

「叔母さん、実は……」

私は、こらえ切れなくなって、高岡さんと二人の間で決めたことを全部話した。


「二人とも、当分結婚は考えられないから、現状を維持するために付き合ってることにしてる？なに、それ」

「はい。なので、そのことは母には内緒で」


「言わないわよ。当たり前じゃないの。そんなこと。ねえ、そんなことより、いつかは高岡さんと結婚してもいいと思ってるんでしょう？」


「いいえ、あの。それについては、まだちょっと決心がついてないというか、結婚そのものが考えられないの」

「だったら、どうして正直にそう言わないの」

「私……
どうしたらいいのか分からなくて。頭が真っ白になって、何も考えられなくなって」
どうにか誤魔化しながら来ていた気持ちを、叔母に気付かれて涙が流れた。

「何も考えられないって、どういうことよ？」

「好きな人がいたの。でもその人とは結婚できない。その人、他に、私よりも大切な人がいるの。だから、彼と一緒にいても、未来がないってわかったの」