キッチンで並んで座った。
冷蔵庫からビールを出して、二人で乾杯する。


「この間、あの二人が家に来て、お互いが親戚同士になるって話題で盛り上がって、止めるのに苦労したんだから」と叔母。

「あの二人って、うちの母と高岡さんのお母さま……」

「敏子さんね……」
叔母は、疲れたと言って大きなため息をついた。


「えっと、うちの母が敏子さんに押しきられた感じてすか?」

叔母は、少し首をひねって言う。
「今回は、そうじゃないな。姉さんも敏子さんの息子の所に嫁に行くならって、ホッとした顔してるもの」


「もしかして、叔母さん。私達、すごく面倒くさいことしちゃったのかな……」


「あら、二人が本当に結婚するなら、何の問題もないけど。さすがに式場を下見に行くって言い出した時は、止めたらって止めたけど」ふざけて笑いながら言う。


「式場?」

「そう。今から申し込めば年内に式を挙げられるんじゃないかって、盛り上がって……下見に行くって言い出してたの」


「教えてくれてありがとう。いい、わかってるって」
思い出に浸ってる場合じゃないね。まったく。