「いいえ。断ってはいないから、時々会ってます。でも、彼の方が忙しいから、今のペースで問題ないの」


「っていうことは、見合い受けたの?そんなあ。じゃあ、結婚しちゃうんだ」

私ったら、本当に余計なことを。
「まだ、そこまでは……」

さっきからずっと考えてた久恵の隣の女が言う。

「それでも、お見合いでしょう?親とか周りが関わってくると、自分たちだけのペースって訳に行かないでしょう?」

「うん。でも、お互いにゆっくり考えながら進もうって、高岡さんとは話してるから」
もう、どうしてこんなことまで説明してるの?

「どんな人?忙しいって。ちょっと、橋田。写真見せてよ」
久恵が、携帯をひったくる。

しばらく見て言う。
「うわっ、これは、橋田じゃ敵わないわ。サラブレットとロバくらい違う」


「ひでえ……もっと、他に言い方ないのか?」

「でもさ、相手男は、OKしたんだ。葉子でいいって」
橋田君がまるで、自分の物だったみたいに私のことを言う。

「どうかな。それは、私もよくわからない」