二人の彼~年下の彼と見合い相手の彼 ~

うちの会社で、女性がずっと働くのは大変だ。

いろんな制度は、存在するけど、たいていのものは形だけ。


女性は、会社という組織内で、昇進を妨げる見えない壁がある。

まるで『ガラスの天井』があるみたいに。

本当に、その通り。

私以外の2人は、明確な意思を持って仕事をしている。

出世して、上に行きたいと思って、重圧に耐えて働いてる。

私は、母と二人の生活だから、会社を辞めようにも辞められないでここまで来た。

だから、私は、久恵の考え方も少し違う。


久恵なら、自分より業務経験の少ない後輩が上司になったら、泣いて抗議するだろう。

私には、そういう上昇志向がない。

ないから、働きやすいと入れるのだろうけど。


同期がいなくなり淋しくなったから、都合がつくときに集まろうとこの同期会は始まった。

最初は、声をかければ人も集まったんだけど。

3人になってから、同期というだけでつながりが薄いし、仕事も忙しくなって、集まろうというのも立ち消えになっていた。

そのうち久恵が声をかけて、男性の同期も交えて、メンバーも少しずつ変わりながら、数人で集まることになっていった。


ただ、私は距離を置いていて、参加しないことが多かった。