何故だか温かい気持ちになる。
霧島くんの絵には、不思議なチカラがあるのかもしれないーーーそう思うほどに。
「リカもかわいいし」
「ひゃ…っ」
いつの間にか側に来ていた霧島くんに後ろから抱き締められたわたしは、驚きや恥ずかしさで変な声を出してしまった。
その事実に、更に恥ずかしくなる。
霧島くんの髪が…わたしの頬に優しく触れる。
「ちょっ…霧島くん……?」
「言ったでしょ、"先生"なんて呼びたくないって」
「ーーー!」
耳元で響くその声に、どうにかなってしまいそうだった。
もう…どうなってもいいとさえ、思った。
「霧島くん、わ、わたし……!」
「リ……」
初めて、自分の意思でーーー霧島くんを抱き締めた。
志朗さんだって、きっと今頃ーーー。
「ぉわッ…!」
「ご、ごめっ…!」
一瞬目を見開いて驚いていた霧島くんだったけど、
「なんなのコレ!もしかしてオレって襲われてる⁈笑」
って言ってから、楽しそうに笑い出した。
わたしが霧島くんを抱き締めたその勢いで、霧島くんを押し倒してしまう形になったことが理由だった。
「だから、ごめんって!」
「あははは!」
恥ずかしいやらドキドキするやら…とにかく早く起き上がらなきゃと思ったけど、身体が動かなかった。
「霧島くん、は、離し…」
「やだ」
さっきまで聞こえていた元気な笑い声は消え、代わりに聞こえてきたのはわたしの心臓の音だった。
「リカ」
その合間を縫って、霧島くんの声が響く。
倒れたままの体勢でころんと霧島くんの横に降ろされたわたしだったけど、その身体はまだ霧島くんの腕の中だった。
目が合わせられないのは、霧島くんが近すぎるから。
「リカ」
「……っ」
わたしを、離してくれないから。
「めっちゃイイ匂いがする…」
「えッ…!」
そう言いながらわたしを更にぎゅうっとする霧島くんに、わたしはひとりアワアワしていた。
「わ、わたしっ、汗かきまくってるよ…⁈イイ匂いなんか、しないと思……!」
最後まで言い終わらないうちに、霧島くんは強引にわたしの視界に入ってきた。
「リカ…」
名前を呼ばれる度に熱くなる身体は、のぼせているような、クラクラと、それは眩暈にも似ていた。
絡まる視線は、光のように眩しくてーーー逸らしたいのに逸らせない、キラキラと、魔法にかけられたようだった。
霧島くんの絵には、不思議なチカラがあるのかもしれないーーーそう思うほどに。
「リカもかわいいし」
「ひゃ…っ」
いつの間にか側に来ていた霧島くんに後ろから抱き締められたわたしは、驚きや恥ずかしさで変な声を出してしまった。
その事実に、更に恥ずかしくなる。
霧島くんの髪が…わたしの頬に優しく触れる。
「ちょっ…霧島くん……?」
「言ったでしょ、"先生"なんて呼びたくないって」
「ーーー!」
耳元で響くその声に、どうにかなってしまいそうだった。
もう…どうなってもいいとさえ、思った。
「霧島くん、わ、わたし……!」
「リ……」
初めて、自分の意思でーーー霧島くんを抱き締めた。
志朗さんだって、きっと今頃ーーー。
「ぉわッ…!」
「ご、ごめっ…!」
一瞬目を見開いて驚いていた霧島くんだったけど、
「なんなのコレ!もしかしてオレって襲われてる⁈笑」
って言ってから、楽しそうに笑い出した。
わたしが霧島くんを抱き締めたその勢いで、霧島くんを押し倒してしまう形になったことが理由だった。
「だから、ごめんって!」
「あははは!」
恥ずかしいやらドキドキするやら…とにかく早く起き上がらなきゃと思ったけど、身体が動かなかった。
「霧島くん、は、離し…」
「やだ」
さっきまで聞こえていた元気な笑い声は消え、代わりに聞こえてきたのはわたしの心臓の音だった。
「リカ」
その合間を縫って、霧島くんの声が響く。
倒れたままの体勢でころんと霧島くんの横に降ろされたわたしだったけど、その身体はまだ霧島くんの腕の中だった。
目が合わせられないのは、霧島くんが近すぎるから。
「リカ」
「……っ」
わたしを、離してくれないから。
「めっちゃイイ匂いがする…」
「えッ…!」
そう言いながらわたしを更にぎゅうっとする霧島くんに、わたしはひとりアワアワしていた。
「わ、わたしっ、汗かきまくってるよ…⁈イイ匂いなんか、しないと思……!」
最後まで言い終わらないうちに、霧島くんは強引にわたしの視界に入ってきた。
「リカ…」
名前を呼ばれる度に熱くなる身体は、のぼせているような、クラクラと、それは眩暈にも似ていた。
絡まる視線は、光のように眩しくてーーー逸らしたいのに逸らせない、キラキラと、魔法にかけられたようだった。



