次に霧島くんからラインが来たのは、化粧ももう終わろうとしていた時だった。
《カメ、見にくる?》
《親は出かけてて夜まで帰らないから》
《◯◯駅わかる?》
《オレんち、そこから5分》
短い文章が、ポンポンと届く。
「…」
今更、少しだけ冷静になったわたしは、本当に会ってもいいのだろうかと考えていた。
普通に考えたら、ダメだよね。
でも、
《しばらく会えないと思ってたから、嬉しい》
最後の一文に、霧島くんに会いたいと…強く思った。
それに志朗さんだって、今頃"ゆり"と一緒かもしれない。
そうやってわたしは、罪悪感をしまい込む。
《1時半頃になるけど、大丈夫?》
《うん》
《駅まで迎えに行くから、電車に乗ったらラインして?》
…嬉しい。
不謹慎だという事を認識していても、つい弾んでしまう。
霧島くんが自分の家を会う場所に提案したのは、人目を気にしてくれての事だろう。
そんな事は解ってる…でも、ドキドキする。
わたしは、火照りの治まらない身体の冷まし方を、電車に揺られながらまだ考えていたーーー…。
「こっちこっち!」
駅の改札を出てすぐのところにあるコンビニの前で、霧島くんがわたしに手招きをしているのが見えた。
「お、お待たせ…」
「ううん。それより暑かったでしょ、アイス買ってから行こーよ」
「…うん」
まるでいつもそうしているかのように、コンビニの中へ入っていく霧島くんの背中を見ていると、勘違いしてしまいそうになる………このまま隣に居てもいいと。
「リカはどれにする?」
その一言に固まるわたしは、アイスを選ぶ霧島くんと目が合う。
「"先生"なんて言ったら、悪目立ちするかなと思って」
「あ…」
耳元で言われた言葉に、そうだったと我にかえる。
わたし達は、こんなところで一緒にいてはいけない関係なんだから………。
…大丈夫……落ち込むなわたし、霧島くんは何も間違っていない。
「まぁ、"先生"とも呼びたくないけどね」
「………」
いたずらっぽく笑う霧島くんの言葉に、いつも優しく締め付けられる。
"リカ"ーーーわたしをそう呼んだ霧島くんの声が離れないまま、わたし達はコンビニを後にした。
《カメ、見にくる?》
《親は出かけてて夜まで帰らないから》
《◯◯駅わかる?》
《オレんち、そこから5分》
短い文章が、ポンポンと届く。
「…」
今更、少しだけ冷静になったわたしは、本当に会ってもいいのだろうかと考えていた。
普通に考えたら、ダメだよね。
でも、
《しばらく会えないと思ってたから、嬉しい》
最後の一文に、霧島くんに会いたいと…強く思った。
それに志朗さんだって、今頃"ゆり"と一緒かもしれない。
そうやってわたしは、罪悪感をしまい込む。
《1時半頃になるけど、大丈夫?》
《うん》
《駅まで迎えに行くから、電車に乗ったらラインして?》
…嬉しい。
不謹慎だという事を認識していても、つい弾んでしまう。
霧島くんが自分の家を会う場所に提案したのは、人目を気にしてくれての事だろう。
そんな事は解ってる…でも、ドキドキする。
わたしは、火照りの治まらない身体の冷まし方を、電車に揺られながらまだ考えていたーーー…。
「こっちこっち!」
駅の改札を出てすぐのところにあるコンビニの前で、霧島くんがわたしに手招きをしているのが見えた。
「お、お待たせ…」
「ううん。それより暑かったでしょ、アイス買ってから行こーよ」
「…うん」
まるでいつもそうしているかのように、コンビニの中へ入っていく霧島くんの背中を見ていると、勘違いしてしまいそうになる………このまま隣に居てもいいと。
「リカはどれにする?」
その一言に固まるわたしは、アイスを選ぶ霧島くんと目が合う。
「"先生"なんて言ったら、悪目立ちするかなと思って」
「あ…」
耳元で言われた言葉に、そうだったと我にかえる。
わたし達は、こんなところで一緒にいてはいけない関係なんだから………。
…大丈夫……落ち込むなわたし、霧島くんは何も間違っていない。
「まぁ、"先生"とも呼びたくないけどね」
「………」
いたずらっぽく笑う霧島くんの言葉に、いつも優しく締め付けられる。
"リカ"ーーーわたしをそう呼んだ霧島くんの声が離れないまま、わたし達はコンビニを後にした。



