「夢だと思えば、少しは楽になれるかな」
「亜子…」
それは、切ないけど幸せな夢。
幸せだけど、切ない夢。
目が醒めれば、きっと楽になれる…。
「…」
本当に、楽になれるのかな---。
目が醒めたと同時に何もかも忘れてしまう夢なら---でも、そうじゃなかったら?
きっと、苦しさが増すばかりだと思う。
「夢、かぁ…」
ぽつりと呟くわたしは、霧島くんの事を考えていた。
"オレ…、安藤先生のこと、好きなんですけど"
霧島くんとのこれまでの事が全部、夢だったら---。
そんなこと…考えられない。
"本気で好きだって言ったら、どうする?"
なかったことにするなんて、今更出来る訳がないのだから…。
"オレは、本気だよ"
「…っ」
「梨花子?」
「ううん、ごめん何でもない」
いけない、今は亜子の話に集中しなきゃ。
「梨花子はさ、」
「うん」
「もし今好きな人ができたら、どうする?」
「……え」
好きな人…好きな……。
亜子の質問に、わたしの中は苦しいくらい霧島くんでいっぱいになる。
「やめてよ、わたし独身じゃないのよ」
「だから聞いてるんじゃん」
「あ…」
霧島くんーーー。
「お待たせ致しましたぁ」
わたしが口を開く前に店員が来て、頼んでいたピザやらパスタやらを置いて行った。
「わぁ、おいしそう!食べよ食べよ!」
「うん」
亜子がもう答えを求めていない気がしたわたしは、うんとしか言えなかった…。
食後のコーヒーと、追加で頼んだデザートまでぺろりと平らげたわたし達は、お会計の金額に驚きながら、
「わたし達絶対食べ過ぎだよね」
「会社の制服のスカート、入るかな」
などと言って笑い合った。
そして笑顔のまま別れたわたし達だったけど、わたしの中はひとりモヤモヤとしていた。
「亜子…」
それは、切ないけど幸せな夢。
幸せだけど、切ない夢。
目が醒めれば、きっと楽になれる…。
「…」
本当に、楽になれるのかな---。
目が醒めたと同時に何もかも忘れてしまう夢なら---でも、そうじゃなかったら?
きっと、苦しさが増すばかりだと思う。
「夢、かぁ…」
ぽつりと呟くわたしは、霧島くんの事を考えていた。
"オレ…、安藤先生のこと、好きなんですけど"
霧島くんとのこれまでの事が全部、夢だったら---。
そんなこと…考えられない。
"本気で好きだって言ったら、どうする?"
なかったことにするなんて、今更出来る訳がないのだから…。
"オレは、本気だよ"
「…っ」
「梨花子?」
「ううん、ごめん何でもない」
いけない、今は亜子の話に集中しなきゃ。
「梨花子はさ、」
「うん」
「もし今好きな人ができたら、どうする?」
「……え」
好きな人…好きな……。
亜子の質問に、わたしの中は苦しいくらい霧島くんでいっぱいになる。
「やめてよ、わたし独身じゃないのよ」
「だから聞いてるんじゃん」
「あ…」
霧島くんーーー。
「お待たせ致しましたぁ」
わたしが口を開く前に店員が来て、頼んでいたピザやらパスタやらを置いて行った。
「わぁ、おいしそう!食べよ食べよ!」
「うん」
亜子がもう答えを求めていない気がしたわたしは、うんとしか言えなかった…。
食後のコーヒーと、追加で頼んだデザートまでぺろりと平らげたわたし達は、お会計の金額に驚きながら、
「わたし達絶対食べ過ぎだよね」
「会社の制服のスカート、入るかな」
などと言って笑い合った。
そして笑顔のまま別れたわたし達だったけど、わたしの中はひとりモヤモヤとしていた。



