◇◇◇
「ごめん梨花子!お待たせ!」
息を切らせて走ってくる亜子に、
「走らなくても大丈夫だから。そんなに待ってないし」
わたしは笑顔で答えた。
あれから5日後の今日は日曜日、昨日夜遅めの時間に、亜子からのメールで急きょ会うことになった。
「亜子とランチなんて久しぶりだね」
「うん。少し前にオープンしたイタリアンのお店に行ってみない?」
「イタリアンいいね〜」
わたし達は、青空の下を歩いた。
こんなに晴れたのはいつぶりだろうか…まだ梅雨が明けていない事を忘れるくらい、今日は良く晴れていた。
「急に呼び出したりしてごめんね」
お店に着いて席に案内されるなり、亜子はわたしに向かって手を合わせるのだった。
「全然大丈夫だよ。旦那も出かけるって言ってたし、このお店めちゃオシャレだし」
少し前にオープンしただけあって店内は混雑していて、わたし達の後には待ちの列ができていた。
「…ありがとう」
亜子はホッとしたような笑顔になると、水をひと口飲んだ。
そしてオーダーを済ませると、
「梨花子ぉ〜」
亜子は、何とも頼りない声色で、わたしの名前を呼んだ。
「うん…」
わたしは、亜子がわたしをランチに誘った理由が何となく想像できてしまい、控え目に返事をした。
「最近、ちょっとしんどくて…色々と」
「…うん」
「わかってるの」
「うん」
「早く、別れなきゃいけない相手だってこと…」
「うん---」
亜子がわたしを呼び出した理由は、やっぱり彼氏---不倫相手のことだった。
「でもね、」
「…」
「別れた後のことを考えると、」
「うん…」
「まだ、耐えられる自信がないの--…」
「……」
亜子から溢れる涙を、黙って見ていることしか出来なかった。
「やっぱり…どう考えても、好きなの…」
「…うん」
「もぉ梨花子!なんで"うん"しか言ってくれないのよぉ?」
「うん……。あ、ごめん」
また「うん」と言ってしまってから、涙を拭く亜子に謝るわたしだった。
だって、何を言ったらいいのか、言葉が見つからない。
「夢…」
「え?」
「ごめん梨花子!お待たせ!」
息を切らせて走ってくる亜子に、
「走らなくても大丈夫だから。そんなに待ってないし」
わたしは笑顔で答えた。
あれから5日後の今日は日曜日、昨日夜遅めの時間に、亜子からのメールで急きょ会うことになった。
「亜子とランチなんて久しぶりだね」
「うん。少し前にオープンしたイタリアンのお店に行ってみない?」
「イタリアンいいね〜」
わたし達は、青空の下を歩いた。
こんなに晴れたのはいつぶりだろうか…まだ梅雨が明けていない事を忘れるくらい、今日は良く晴れていた。
「急に呼び出したりしてごめんね」
お店に着いて席に案内されるなり、亜子はわたしに向かって手を合わせるのだった。
「全然大丈夫だよ。旦那も出かけるって言ってたし、このお店めちゃオシャレだし」
少し前にオープンしただけあって店内は混雑していて、わたし達の後には待ちの列ができていた。
「…ありがとう」
亜子はホッとしたような笑顔になると、水をひと口飲んだ。
そしてオーダーを済ませると、
「梨花子ぉ〜」
亜子は、何とも頼りない声色で、わたしの名前を呼んだ。
「うん…」
わたしは、亜子がわたしをランチに誘った理由が何となく想像できてしまい、控え目に返事をした。
「最近、ちょっとしんどくて…色々と」
「…うん」
「わかってるの」
「うん」
「早く、別れなきゃいけない相手だってこと…」
「うん---」
亜子がわたしを呼び出した理由は、やっぱり彼氏---不倫相手のことだった。
「でもね、」
「…」
「別れた後のことを考えると、」
「うん…」
「まだ、耐えられる自信がないの--…」
「……」
亜子から溢れる涙を、黙って見ていることしか出来なかった。
「やっぱり…どう考えても、好きなの…」
「…うん」
「もぉ梨花子!なんで"うん"しか言ってくれないのよぉ?」
「うん……。あ、ごめん」
また「うん」と言ってしまってから、涙を拭く亜子に謝るわたしだった。
だって、何を言ったらいいのか、言葉が見つからない。
「夢…」
「え?」



