わたしの胸は、どきりと音を立てていた。
「あ〜…、相談に乗ってもらってたりしたんだ。ね、リカちゃん先生?」
「え?あ、うん、そうなの!」
霧島くんにフォローしてもらって、本当ならホッとするところなのにーーもうわたしの中は、どきりと音を立てるだけでは済まされなかった。
初めてーーー"リカちゃん先生"って、呼ばれた…。
もちろんそれに気が付いたのはわたしだけだったのだけど。
「ふーん、それで最近帰るの早かったわけ?修羅場的な?」
「まぁ…そんな感じ」
甲斐くんの問いかけに、少しだけ歯切れの悪い霧島くんだった。
「……」
わたしを、避けてた訳じゃなかったんだ…。
あの田宮さんが相手じゃ、大変だっただろうな。
なんて他人事みたいに思ってる場合じゃない。
"オレは、安藤先生のことが好きだから"
"オレは、本気だよ"
「……」
わたしも立派な当事者…だよね。
霧島くんの言葉が、声が…特別な形になって、響く。
それと同時に、何かがわたしを押し潰そうとしているのを感じていた。
だってほら、霧島くんと目が合うだけで、こんなにも苦しくなる…。
どうにかなりそうで、目を逸らしてしまう。
そんなわたしを否定できないわたしは、この罪悪感をなかったことにして、霧島くんのことしか見えなくなりそうだった。
「そろそろ男子は帰ってよねー、今日は女子だけで話す日なんだから!」
わいわいと騒いでいる男子3人へ、恵ちゃんが帰るよう話していた。
「なんだよそれ。じゃ、マックでも行く?響がカノジョと別れた慰め会しよーぜ」
「いや、別に慰めいらねーし。マック行きたいだけだろ?」
藤井くんの提案に、霧島くんが突っ込みを入れていた。
「マック賛成!じゃぁリカちゃん先生またねー」
「うん、みんな気をつけてね」
甲斐くんに軽く手を振ったわたしは、霧島くんの視線には気付かないふりをした。
その視線に応えてしまえば、きっと見つめずにはいられないから。
わたしの中は、罪悪感に支配されていた方がいい。
これ以上、好きにならないために---。
「あ〜…、相談に乗ってもらってたりしたんだ。ね、リカちゃん先生?」
「え?あ、うん、そうなの!」
霧島くんにフォローしてもらって、本当ならホッとするところなのにーーもうわたしの中は、どきりと音を立てるだけでは済まされなかった。
初めてーーー"リカちゃん先生"って、呼ばれた…。
もちろんそれに気が付いたのはわたしだけだったのだけど。
「ふーん、それで最近帰るの早かったわけ?修羅場的な?」
「まぁ…そんな感じ」
甲斐くんの問いかけに、少しだけ歯切れの悪い霧島くんだった。
「……」
わたしを、避けてた訳じゃなかったんだ…。
あの田宮さんが相手じゃ、大変だっただろうな。
なんて他人事みたいに思ってる場合じゃない。
"オレは、安藤先生のことが好きだから"
"オレは、本気だよ"
「……」
わたしも立派な当事者…だよね。
霧島くんの言葉が、声が…特別な形になって、響く。
それと同時に、何かがわたしを押し潰そうとしているのを感じていた。
だってほら、霧島くんと目が合うだけで、こんなにも苦しくなる…。
どうにかなりそうで、目を逸らしてしまう。
そんなわたしを否定できないわたしは、この罪悪感をなかったことにして、霧島くんのことしか見えなくなりそうだった。
「そろそろ男子は帰ってよねー、今日は女子だけで話す日なんだから!」
わいわいと騒いでいる男子3人へ、恵ちゃんが帰るよう話していた。
「なんだよそれ。じゃ、マックでも行く?響がカノジョと別れた慰め会しよーぜ」
「いや、別に慰めいらねーし。マック行きたいだけだろ?」
藤井くんの提案に、霧島くんが突っ込みを入れていた。
「マック賛成!じゃぁリカちゃん先生またねー」
「うん、みんな気をつけてね」
甲斐くんに軽く手を振ったわたしは、霧島くんの視線には気付かないふりをした。
その視線に応えてしまえば、きっと見つめずにはいられないから。
わたしの中は、罪悪感に支配されていた方がいい。
これ以上、好きにならないために---。



