「昨日会ったの。待ちぶせされたって言った方が正しいかな。"アンタのせいだ"だって」
「マジで⁈ったく詩織のやつ……ごめんね先生。迷惑かけるつもりじゃなかったんだけど…」
「そんなことより……霧島くんは、」
ーーー霧島くんは、本気なの?
「オレは、本気だよ」
わたしの気持ちを察したかのように、霧島くんの気持ちが、真っすぐわたしに届く。
その澄んだ声が、わたしを動けなくする。
「…歳、ひとまわりも離れてるのに?」
「ホント?てことは干支おなじだね(笑)」
笑うとこじゃないから……。
「オレさ、先生の美術の授業が好きだったんだ。」
霧島くんは再びわたしの絵に視線を戻し、話し始めた。
「だから、いつか自分の絵を見てもらいたいって、前から思ってたんだ」
「……」
「だから罰ゲームの時は、ホント悪いことしな〜って反省したし」
「うん」
わかってる……あの時の霧島くんからは、申し訳ない気持ちが伝わってきたから。
「でも、それからなんだ」
「……」
「絵を見てもらったりして関わるようになってから、気付いたら先生のことばっかり見てんの、オレ」
可笑しそうに笑った霧島くんが、わたしの指に優しく触れる。
わたしは抵抗することもせず、霧島くんの指の感触を感じていた。
「好きなんだなぁ、って気付いた」
霧島くんにそっと握られたわたしの指に、嫌でも意識がいってしまう反面、美術部員の誰かが入ってきたらどうしよう…とか、そんなことを気にしているわたしもいた。
「先生は?」
「え?」
霧島くんのわたしの指を握る手に、わずかに力が加わった。
「オレのこと、どう思ってるの?」
「……!」
その言葉が直球すぎて、わたしは思わず霧島くんから目をそらした。
「先生…?」
答えられるわけないじゃない。
だってわたしは、応えられないからーーー。
「ごめんね…」
小さく言ったあたしの言葉を聞いた霧島くんは、ふうっと息を吐いた。
「そう言うと思った」
「……」
「歳が離れてるとか結婚してるとか…それって取ってつけただけの理由じゃん?」
…いや、立派な理由でしょ。
「マジで⁈ったく詩織のやつ……ごめんね先生。迷惑かけるつもりじゃなかったんだけど…」
「そんなことより……霧島くんは、」
ーーー霧島くんは、本気なの?
「オレは、本気だよ」
わたしの気持ちを察したかのように、霧島くんの気持ちが、真っすぐわたしに届く。
その澄んだ声が、わたしを動けなくする。
「…歳、ひとまわりも離れてるのに?」
「ホント?てことは干支おなじだね(笑)」
笑うとこじゃないから……。
「オレさ、先生の美術の授業が好きだったんだ。」
霧島くんは再びわたしの絵に視線を戻し、話し始めた。
「だから、いつか自分の絵を見てもらいたいって、前から思ってたんだ」
「……」
「だから罰ゲームの時は、ホント悪いことしな〜って反省したし」
「うん」
わかってる……あの時の霧島くんからは、申し訳ない気持ちが伝わってきたから。
「でも、それからなんだ」
「……」
「絵を見てもらったりして関わるようになってから、気付いたら先生のことばっかり見てんの、オレ」
可笑しそうに笑った霧島くんが、わたしの指に優しく触れる。
わたしは抵抗することもせず、霧島くんの指の感触を感じていた。
「好きなんだなぁ、って気付いた」
霧島くんにそっと握られたわたしの指に、嫌でも意識がいってしまう反面、美術部員の誰かが入ってきたらどうしよう…とか、そんなことを気にしているわたしもいた。
「先生は?」
「え?」
霧島くんのわたしの指を握る手に、わずかに力が加わった。
「オレのこと、どう思ってるの?」
「……!」
その言葉が直球すぎて、わたしは思わず霧島くんから目をそらした。
「先生…?」
答えられるわけないじゃない。
だってわたしは、応えられないからーーー。
「ごめんね…」
小さく言ったあたしの言葉を聞いた霧島くんは、ふうっと息を吐いた。
「そう言うと思った」
「……」
「歳が離れてるとか結婚してるとか…それって取ってつけただけの理由じゃん?」
…いや、立派な理由でしょ。



