田宮さんの言葉に、動揺を抑えるだけで精一杯だった。
小さな風が吹いてきて、わたしたちのスカートをわずかに揺らす。
「アンタと仲いいらしいね…この学校にいる友達に聞いた。先生のくせに何ちょっかいかけてんのよ!」
「ちが…」
「何が違うの?じゃあ何で響があたしに別れたいなんて言うワケ⁈おかしいじゃん」
そんなことを言われても…本当にわたしは、霧島くんにちょっかいなんかかけていない。
むしろ逆だと言いたい。
「今すぐ響から離れて!じゃないと許さないから!」
言うだけ言って、田宮さんはわたしに背を向けて帰って行った。
ずんずんと大股で歩く田宮さんの背中を、ただ眺めるだけのわたしだった。
”カノジョとは、別れようと思ってる”
「……」
霧島くんはーーー本気なの?
わたしの背中は、じんわりと汗をつくっていた。
こうしてわたしのところに抗議しに来るくらいだ、霧島くんのことが本当に大好きだということが伝わってくる。
でも、いくら田宮さんにとって邪魔者だとしても、わたしは赤の他人で大人ーーーそう考えると、今の子は肝が据わっているなぁと、ある意味感心してしまう。
「…」
感心してる場合じゃない、わたしは無実だ。
それでも、車のエンジンをかける手は小さく震えていた…。
家に着いてリビングのエアコンをつけると、炊飯器のスイッチを入れた。
志朗さんは、今日も遅いのかな…。
《明日、話したいことがあるんだけど》
《なに?》
久しぶりに霧島くんにメールを送ったら、返ってくるかな、なんて思う前にわたしのケータイは鳴った。
このところ接点が減っていただけに、メールといえども緊張してしまう。
《明日の放課後、美術室の準備室にいるから来てくれる?》
《りょーかい。また饅頭でもくれるの?》
「……」
思ったより普通の反応で、心がぽわんとあたたかくなる。
小さな風が吹いてきて、わたしたちのスカートをわずかに揺らす。
「アンタと仲いいらしいね…この学校にいる友達に聞いた。先生のくせに何ちょっかいかけてんのよ!」
「ちが…」
「何が違うの?じゃあ何で響があたしに別れたいなんて言うワケ⁈おかしいじゃん」
そんなことを言われても…本当にわたしは、霧島くんにちょっかいなんかかけていない。
むしろ逆だと言いたい。
「今すぐ響から離れて!じゃないと許さないから!」
言うだけ言って、田宮さんはわたしに背を向けて帰って行った。
ずんずんと大股で歩く田宮さんの背中を、ただ眺めるだけのわたしだった。
”カノジョとは、別れようと思ってる”
「……」
霧島くんはーーー本気なの?
わたしの背中は、じんわりと汗をつくっていた。
こうしてわたしのところに抗議しに来るくらいだ、霧島くんのことが本当に大好きだということが伝わってくる。
でも、いくら田宮さんにとって邪魔者だとしても、わたしは赤の他人で大人ーーーそう考えると、今の子は肝が据わっているなぁと、ある意味感心してしまう。
「…」
感心してる場合じゃない、わたしは無実だ。
それでも、車のエンジンをかける手は小さく震えていた…。
家に着いてリビングのエアコンをつけると、炊飯器のスイッチを入れた。
志朗さんは、今日も遅いのかな…。
《明日、話したいことがあるんだけど》
《なに?》
久しぶりに霧島くんにメールを送ったら、返ってくるかな、なんて思う前にわたしのケータイは鳴った。
このところ接点が減っていただけに、メールといえども緊張してしまう。
《明日の放課後、美術室の準備室にいるから来てくれる?》
《りょーかい。また饅頭でもくれるの?》
「……」
思ったより普通の反応で、心がぽわんとあたたかくなる。



