◇◇◇
4月ーーー新しい風が流れる新学期。
今年度もわたしは、2年生と1年生の半分の美術の授業を担当することになった。
3年生になった美雪ちゃんや恵ちゃん、それから霧島くんたちの授業をみることはなくなって、みんなとの接点が減るかと思いきや、
「今年もリカちゃん先生の授業が良かったなぁ〜、超残念!」
「あの先生、何言ってるかさっぱりわかんないんだよね。ゴニョゴニョさぁ。ね、美雪?」
「そぉそぉ」
「あはは。ありがと、2人とも」
その分放課後の女子会の頻度が増えて、意外とそうでもなかった。
「美雪、ほっぺた膨らませすぎ。フグみたい(笑)」
「フグ⁈せめてリスとか言えないの?」
ぷーっとほっぺたを膨らませた美雪ちゃんを恵ちゃんがからかい、それに反論する美雪ちゃん。
そのやりとりを見て、笑うわたしーーーここまでは、いつもの流れ。
「リカちゃん先生うぃーっす!菓子くれ!」
ガラガラと音を立てながら開いたドアの向こうには、藤井、甲斐、霧島ーーー3人分のやんちゃな笑顔があった。
「ちょっと藤井くん、”くれ”はないでしょ⁈」
藤井くんの言葉に恵ちゃんが食い付くーーー最近では珍しくもない光景だ。
「じゃあ恵都がくれんのか?」
「だーかーら!そういう事じゃなくて…!」
どちらかと言えば気の強い性格の恵ちゃんは、藤井くんと”ああ言えばこう言う”を繰り返していた。
「リカちゃん先生、この2人またやってるよ〜」
「ふふ」
美雪ちゃんの言葉にわたしは小さく微笑んだーーーそれは、しかめっ面の恵ちゃんが、内心は嬉しそうに見えるから。
そりゃそうだよね、好きな人と話せて嬉しくない訳がないよね。
「人にくれって言う前に、帰りにコンビニにでも寄ったら⁈」
「おっ、太っ腹!おごってくれるのか」
「違うし!」
気の強い恵ちゃんにあれこれ言われても、全く堪えてないのが藤井くん、そのあっけらかんとした性格が、会話のテンポを良くしていた。
「何か最近のお前ら、いい感じじゃね?なぁ響?」
「うん、確かに。仲イイよね」
4月ーーー新しい風が流れる新学期。
今年度もわたしは、2年生と1年生の半分の美術の授業を担当することになった。
3年生になった美雪ちゃんや恵ちゃん、それから霧島くんたちの授業をみることはなくなって、みんなとの接点が減るかと思いきや、
「今年もリカちゃん先生の授業が良かったなぁ〜、超残念!」
「あの先生、何言ってるかさっぱりわかんないんだよね。ゴニョゴニョさぁ。ね、美雪?」
「そぉそぉ」
「あはは。ありがと、2人とも」
その分放課後の女子会の頻度が増えて、意外とそうでもなかった。
「美雪、ほっぺた膨らませすぎ。フグみたい(笑)」
「フグ⁈せめてリスとか言えないの?」
ぷーっとほっぺたを膨らませた美雪ちゃんを恵ちゃんがからかい、それに反論する美雪ちゃん。
そのやりとりを見て、笑うわたしーーーここまでは、いつもの流れ。
「リカちゃん先生うぃーっす!菓子くれ!」
ガラガラと音を立てながら開いたドアの向こうには、藤井、甲斐、霧島ーーー3人分のやんちゃな笑顔があった。
「ちょっと藤井くん、”くれ”はないでしょ⁈」
藤井くんの言葉に恵ちゃんが食い付くーーー最近では珍しくもない光景だ。
「じゃあ恵都がくれんのか?」
「だーかーら!そういう事じゃなくて…!」
どちらかと言えば気の強い性格の恵ちゃんは、藤井くんと”ああ言えばこう言う”を繰り返していた。
「リカちゃん先生、この2人またやってるよ〜」
「ふふ」
美雪ちゃんの言葉にわたしは小さく微笑んだーーーそれは、しかめっ面の恵ちゃんが、内心は嬉しそうに見えるから。
そりゃそうだよね、好きな人と話せて嬉しくない訳がないよね。
「人にくれって言う前に、帰りにコンビニにでも寄ったら⁈」
「おっ、太っ腹!おごってくれるのか」
「違うし!」
気の強い恵ちゃんにあれこれ言われても、全く堪えてないのが藤井くん、そのあっけらかんとした性格が、会話のテンポを良くしていた。
「何か最近のお前ら、いい感じじゃね?なぁ響?」
「うん、確かに。仲イイよね」



