「あ、ねぇっ、亜子の彼氏の写真とかないの?」
「あるけど…」
「見せて?見たい見たい!」
亜子は自分から彼氏の話をしたがらない、だったらこちらから攻めるしかないじゃん?
急かすわたしに諦めたのか、亜子はカバンからケータイを取り出した。
「はい」
照れ隠しなのか、ぶっきらぼうにケータイの画面を見せてくる亜子が、何だかかわいかった。
「真面目そうな人だね!大人な雰囲気出てていいじゃん。優しそうだし」
「優しいは優しいけど、真面目かは…どうかな」
苦笑いを浮かべる亜子を不思議に思ったけど、やっと知れた亜子の彼氏情報にテンションが上がっていたわたしは、すぐにそれを頭の隅に追いやった。
「こんなに素敵な彼氏がいたら、バレンタイン楽しみだね〜。何歳の人?」
「えと…35歳、かな」
「若いじゃん、わたしの旦那なんて今年誕生日きたら39だよ。いいなぁ(笑)」
彼氏の話になるとやっぱり歯切れの悪くなる亜子は、そうかなと言って笑うだけだった。
「そうだよー!あぁもう、亜子が羨ましい!いいよね恋愛ってさ、ドキドキしたりして楽しいよね。結婚しちゃうと冷めたもんよ(笑)?」
「…楽しいしことばかりじゃないけどね」
「え……亜子…?」
ふいにわたしから目をそらした亜子は、何かを考えているような顔をしていた。
「あ!ほら、梨花子次だよ次!やっとチョコ買えるよ〜」
「え⁈あ、うん」
亜子は並んでいる列の前方を指差して、さっきの顔とは違い、にっこりと笑っていた。
ケンカでも、してるのかな…。
それならそうと言ってくれればいいのに、本当に亜子は話したがらないから、勝手な想像だけが膨らむ。
わたしと亜子は、今度飲もうという話をして別れた。
わたしは、亜子がわざと話題を変えたような気がして、亜子と別れるまで彼氏の話を振ることはなかった。
そしてバレンタイン当日、わたしは川本先生と一緒に職員室でチョコレートを配ってまわり、放課後は美雪ちゃんと恵ちゃんとチョコレート交換をする約束をしていた。
「あるけど…」
「見せて?見たい見たい!」
亜子は自分から彼氏の話をしたがらない、だったらこちらから攻めるしかないじゃん?
急かすわたしに諦めたのか、亜子はカバンからケータイを取り出した。
「はい」
照れ隠しなのか、ぶっきらぼうにケータイの画面を見せてくる亜子が、何だかかわいかった。
「真面目そうな人だね!大人な雰囲気出てていいじゃん。優しそうだし」
「優しいは優しいけど、真面目かは…どうかな」
苦笑いを浮かべる亜子を不思議に思ったけど、やっと知れた亜子の彼氏情報にテンションが上がっていたわたしは、すぐにそれを頭の隅に追いやった。
「こんなに素敵な彼氏がいたら、バレンタイン楽しみだね〜。何歳の人?」
「えと…35歳、かな」
「若いじゃん、わたしの旦那なんて今年誕生日きたら39だよ。いいなぁ(笑)」
彼氏の話になるとやっぱり歯切れの悪くなる亜子は、そうかなと言って笑うだけだった。
「そうだよー!あぁもう、亜子が羨ましい!いいよね恋愛ってさ、ドキドキしたりして楽しいよね。結婚しちゃうと冷めたもんよ(笑)?」
「…楽しいしことばかりじゃないけどね」
「え……亜子…?」
ふいにわたしから目をそらした亜子は、何かを考えているような顔をしていた。
「あ!ほら、梨花子次だよ次!やっとチョコ買えるよ〜」
「え⁈あ、うん」
亜子は並んでいる列の前方を指差して、さっきの顔とは違い、にっこりと笑っていた。
ケンカでも、してるのかな…。
それならそうと言ってくれればいいのに、本当に亜子は話したがらないから、勝手な想像だけが膨らむ。
わたしと亜子は、今度飲もうという話をして別れた。
わたしは、亜子がわざと話題を変えたような気がして、亜子と別れるまで彼氏の話を振ることはなかった。
そしてバレンタイン当日、わたしは川本先生と一緒に職員室でチョコレートを配ってまわり、放課後は美雪ちゃんと恵ちゃんとチョコレート交換をする約束をしていた。



