「見てもらいたいもの…?」
「うん」
言いながら霧島くんは、カバンの中身をゴソゴソとあさる。
霧島くんとまともに話をしたのなんて、あの日が初めてといってもいいくらいの関係なのに、そのわたしに見せたいものとは何なのだろう。
もしかしたらカバンから虫のオモチャとかが出てきて、またわたしをハメようとしてるんじゃ…。
「先生、変な顔」
「えッ⁈もうっ、失礼しちゃうわね」
「ホントにもう何もしないから(笑)」
「…」
まだ疑ってんの?とでも言いたげな霧島くんの笑顔を見ながら、心の中を見透かされてしまった様な恥ずかしさで、わたしは自分の顔が赤くなっていくのを感じた。
「はい、これ」
そう言ってわたしに手渡してきたものは、A5サイズくらいだろうか…小さな、スケッチブックだった。
「…」
訳も分からずそれを無言で受け取ると、少しの緊張と一緒にページをめくった。
「……」
わたしは、目の前に霧島くんがいることも忘れて、そのスケッチブックに見入っていた。
「先生…?」
「…」
「どう思う?」
「これ、全部霧島くんが…?」
しばらくして顔を上げたわたしの質問に返事をするかわりに、黙って頷く霧島くん。
「愛」
「え…?」
「愛があるね……霧島くんの描く絵」
スケッチブックに描かれた絵は3枚、モデルはどれも同じーーー鉛筆だけで描かれたその絵からは、霧島くんの愛情が伝わってきた。
「それに、鉛筆一本でここまで表現できるなんて…霧島くんセンスあるよ!」
興奮ぎみに話すわたしに、霧島くんは少し照れたようだった。
「やべ、超嬉しいかも…。褒められるなんて思ってなかった」
「そんな…すごく素敵だよ!これって何ていうカメ?好きなの?」
そう、絵のモデルは全てカメだったのだ。
「うん」
言いながら霧島くんは、カバンの中身をゴソゴソとあさる。
霧島くんとまともに話をしたのなんて、あの日が初めてといってもいいくらいの関係なのに、そのわたしに見せたいものとは何なのだろう。
もしかしたらカバンから虫のオモチャとかが出てきて、またわたしをハメようとしてるんじゃ…。
「先生、変な顔」
「えッ⁈もうっ、失礼しちゃうわね」
「ホントにもう何もしないから(笑)」
「…」
まだ疑ってんの?とでも言いたげな霧島くんの笑顔を見ながら、心の中を見透かされてしまった様な恥ずかしさで、わたしは自分の顔が赤くなっていくのを感じた。
「はい、これ」
そう言ってわたしに手渡してきたものは、A5サイズくらいだろうか…小さな、スケッチブックだった。
「…」
訳も分からずそれを無言で受け取ると、少しの緊張と一緒にページをめくった。
「……」
わたしは、目の前に霧島くんがいることも忘れて、そのスケッチブックに見入っていた。
「先生…?」
「…」
「どう思う?」
「これ、全部霧島くんが…?」
しばらくして顔を上げたわたしの質問に返事をするかわりに、黙って頷く霧島くん。
「愛」
「え…?」
「愛があるね……霧島くんの描く絵」
スケッチブックに描かれた絵は3枚、モデルはどれも同じーーー鉛筆だけで描かれたその絵からは、霧島くんの愛情が伝わってきた。
「それに、鉛筆一本でここまで表現できるなんて…霧島くんセンスあるよ!」
興奮ぎみに話すわたしに、霧島くんは少し照れたようだった。
「やべ、超嬉しいかも…。褒められるなんて思ってなかった」
「そんな…すごく素敵だよ!これって何ていうカメ?好きなの?」
そう、絵のモデルは全てカメだったのだ。



