「その着物はなんだ」 「ああ、これナツくんだって勘違いした着物。間違って持って来ちゃった」 「水仙紋だな」 よく見てみると胸元には水仙紋が刺繍されていた。 水仙紋は本堂家の家紋だ。 つまりこの着物の持ち主は私の家系の誰かと言う事になる。 大きさ、作りは明らかに男性用で。 あの手紙と何か関係があったりして? (まさか‥‥、) 「わっ‥‥!!」 「危なっかしい奴だな」 つまずく私の腕を掴む。