不思議なお面だなと思いながら、私は寒さで身震いをした。 冷たい風が、濡れて冷えた体を更に冷やして行く。 そんな私を見て奏は私の首筋に付いている印に手をかざした。 温かい空気のようなものが私を徐々に包んでいく。 それは濡れた衣服や髪を乾かしていった。 「全て乾いたな」 そう言うと奏は私に自分の羽織を掛けてくれた。 「え、でも私乾いたよ?」 「今日は冷え込む。掛けていろ」 瞬間に高鳴る胸の音。 そのドキドキをどうにか抑えたくて大きな羽織りの袖をぎゅっと握った。