「今日は安静にしていろ」


頭に手を乗せられる。

目が覚めるとそこは布団の上で。
さっきまでの苦しさや痛み痺れは無くなっていて。


(私、気を失ったんだ‥‥)


「月夜ちゃんごめんなさい‥‥ボクが栗きんとん‥‥」


大泣きするナツくんは袖で溢れる涙を必死に拭いながら私に謝る。


「栗きんとんがどうしたの?とっても美味しかったよナツくん」


涙を拭いてあげながら宥(なだ)める。

ごめんなさいと私に抱き付く彼はとても反省しているようで、泣き過ぎか目が少し腫れていた。


「カナデ様怖かったの‥‥」


きっと私が気を失っている間にたっぷり怒られたんだろう。


「怖かったね〜、もう大丈夫だよ」

「何を言うか。お前は死にかけたんだぞ」


ナツくんは早くも泣き疲れで私の隣でスヤスヤ眠ってしまった。