その村は、水無月(みなづき)村と言って水の神様に護られている小さな村でしたが、


神のご加護があるおかげか、不思議とその村は栄えていました。


『もし、この村に右京と言うお方はいらっしゃらないでしょうか?』


その美しい女性は、桔梗(ききょう)と言って水無月村の神主である右京(うきょう)と言う男性を探していました。


桔梗は、右京と恋仲だったのです。

互いの住む所が遠いゆえに右京に会えない寂しさから、こうして自ら出向いたのでした。