さっきは、結果への不安からイライラしちゃって、楓摩に当たってしまった。

本当は、一番楓摩に傍にいて欲しいはずなのに……

楓摩は、全部私の事考えて言ってくれているのに、私の辛さなんてわからないと思っちゃった……

楓摩だって、私の事いっぱい心配してくれて、大変だったのに……

診察室から出ていく時の楓摩の悲しそうな顔は忘れられなかった……

あとで、きちんと謝らなきゃ……

そう、思っているとドアが開く音がして、誰かが入ってきた。

「朱鳥ちゃん、起きてる?」

カーテンをシャッと開けられて、そこにいたのは陽向先生だった。

「あ、陽向先生……」

「朱鳥ちゃん、久しぶりだね!」

陽向先生は、いつも通りの笑顔で、元気に話しかけてきた。

「楓摩は、今、回診中だからもうすぐ来るから待っててね。」

「はい……」

「ん?朱鳥ちゃん、どうした?楓摩と喧嘩でもしたの?」

「えっ!?」

心を見透かされたような発言に驚きの声をあげてしまう。

「図星ですか(笑)てか、なんで喧嘩なんかしたの?あんなにラブラブなカップルだったのに……」

「べっ、別にラブラブなんかじゃありませんよっ!!」

「あぁ、ごめんごめん。じゃあ、あんなに仲良かったのになんで喧嘩なんかしたの?」

「それは……、私、結果の事の不安とか…私自身の不安とかでイライラしちゃってて、楓摩が私の事心配してくれてたのに、一人にして欲しいって言っちゃって……楓摩は、私の事考えて言ってくれてたのに……私…楓摩に酷いこと言っちゃった……」

できるなら、今すぐにでも楓摩に謝って、また、傍に居てもらいたい……

楓摩、怒ってるかな……

きっと、怒ってるよね…………

「そっか……、それで朱鳥ちゃんは謝りたいんだね。」

「はい…」

「よし!じゃあ、今から俺が楓摩を呼んでくるよ!」

「えっ!?いいですよ……、迷惑かけるし……」

「いいの!!俺が早く仲直りして欲しいだけだからさ!じゃ、ちょっとまっててね~」

そういって、陽向先生は診察室から出ていった。