懐かしい温かさが体に伝わってくる。

私はゆっくりと重たい瞼を開けた。

だんだん鮮明になってくる視界。

「朱鳥、大丈夫?」

そこには心配そうに私を覗く楓摩の顔。

「………………楓摩…?」

「そうだよ。ごめんね、心配かけちゃって。」

……楓摩…楓摩だ…………

楓摩、目、覚ましたの?

元気になったの??

「楓摩、楓摩……」

「うん。そうだよ。」

そう言って楓摩は私の頭を撫でてくれる。

私は体を無理やり起こして、楓摩に抱きつこうとする。

だけど、頑張って体を起こした所でフッと力が抜け、ベッドに倒れそうになる。

それを楓摩が受け止めてくれる。

「大丈夫?まだ、調子良くないんだから、寝てな?」

そう言ってくれるけど、私はどうしても楓摩にくっつきたかった。

「…ギュッ………………して……」

私がそう言うと、楓摩は笑って私を楓摩の膝の上に乗せてくれた。

「ごめんね、俺もまだ起きてから少ししかしてないから、うまく立てないんだ。だから、これで我慢して?」

コクン

私が頷くと、楓摩は私のことをギュッと抱きしめてくれた。

「楓摩…………」

「なに?」

「…グスッ…………心配……したの………………ヒック……」

「うん。ごめんね。俺のために頑張ってくれたんだって?ありがと。」

「うん……。あのね…私…………寂しかったんだよ……すっごい寂しかった……」

そう言って泣き続ける私を楓摩は優しくなだめてくれた。

「もう、大丈夫だから。俺は居なくならないからね。大丈夫。」

楓摩の優しい声を聞きながら、私はウトウトし始めた。

……そのまま、私は楓摩にくっついて眠ってしまった。