「じゃあ、俺、車回してくるからちょっとまってて!」

「はーい!」

私は、楓摩が車を、持ってくるまでロビーで待つことにした。

すると……

「ゴホッゴホッ!あ、朱鳥ちゃん!いた!ゴホッ」

「えっ!?陽向先生……?」

「よぉ!ゴホッ…あ…れ?楓摩は……?」

「楓摩なら、車を回してきてくれてますよ?」

「あ、ならいいんだ。ゴホッゴホッ……朱鳥ちゃん、ゴホッ…一時帰宅おめでとう!一時だけど、楽しんできてね!ゴホッゴホッ」

「あっ、ありがとうございますっ!ていうか……陽向先生
、大丈夫ですか?あの……」

「大丈夫だよっ!大丈夫だから…ゴホッ!…だいじょ……」

バタッ

えっ……

陽向先生が倒れた。

荒い息。

おデコに手を当ててみると、とても熱い。

「朱鳥ー、車前まで持ってきたよー!って、どうした?」

「楓摩っ!!陽向先生がっ!」

そういうと、楓摩は驚いた顔をして走ってきた。

「陽向っ!!ダメだ…、意識がない!とりあえず、誰かー!ストレッチャー持ってきて!!」

「楓摩!陽向先生は大丈夫なの!?」

「あ、あぁ。こいつ、風邪ひいてたから、ただの熱だと思うけど…この様子だと、熱が高すぎて倒れたな。こいつ、辛かったら点滴打ってもらえって言ったのに……注射嫌いだから……」

ちょっとして、バタバタと看護師さんや他のお医者さんがストレッチャーを持って、走って来た。

「ごめん、朱鳥!ちょっと、付いて行くから15分くらいここで待ってて!ごめん!ほんと!」

「ううん、大丈夫だよっ!それよりも、陽向先生頑張ってね!」

それから楓摩は、陽向先生に付き添って処置室の方へ走っていった。