うっすらとした意識の中、遠くで陽向先生の声が聞こえてきた。

「…………すかちゃん、お前のこと凄い心配してるぞ?ずっと付きっきりで看病して、挙句、熱出しちゃったじゃん……」

陽向先生が楓摩に話しかけてるの…?

……でも、陽向先生…楓摩のせいにしてる……

熱が出たのは私が悪いのに…

楓摩のせいにしないで………

私の体が弱いのが悪いから……

そんなことを考えていると、無性に楓摩に会いたくなった。

無意識に体は楓摩の所へ行こうと動く。

…だけど、さっきと変わらず体の力が入らなくて床に倒れる。

「ゴホッゴホッ……楓摩………………」

すると、陽向先生が走ってくる音が聞こえた。

「朱鳥ちゃんっ、どうした?」

陽向先生はスグに私を抱き上げて、ベッドに寝かせる。

「…ゴホッ……やだ…楓摩の所…………行く…」

私がワガママでそう言うと、陽向先生は少し困り顔で笑った。

「でも、朱鳥ちゃん熱高いし辛くなるだけだよ?」

「…それでも……行くの…………」

そう言うと陽向先生は、小さく頷いて私をまた抱っこしてくれた。

「ちょっとだけだよ。少し会ったらスグに戻って寝かせるからね。」

そう言って楓摩の所へ連れて行ってくれる。

楓摩のベッドの所に着くと、陽向先生は私を抱っこしたまま、椅子に座った。

凄く久しぶりに感じる楓摩。

まだ眠っているけど、楓摩に会えただけで、心が軽くなり、楽になった。

私は楓摩の手をギュッと握った。

「楓摩……早く、起きてね…………。私、寂しいから…」

それだけ言うと、急に眠たくなってきて、私はそのまま眠りについた。

気が付いたら次の日だった。