「やっほー、楓摩。久しぶりだね。」

そう言って私は楓摩の手を握る。

いつも、握られる側だったから少しだけ不思議な感じ。

「楓摩、ごめんね。ごめんね、痛かったよね。私なんかを守ってくれて、ありがとう。…でも、こんなに大怪我して…………」

眠り続けている楓摩に私は話しかける。

私の目からは、また涙が零れていた。

「楓摩っ……ヒック…グスッ…………ごめんね…ほんと……。こんなに傷だらけになっちゃって…痛いよね……グスッ…ごめんね…………ごめんね…………」

口から出てくるのは"ごめんね"の言葉と嗚咽ばかり。

私は、楓摩の手を握り続け、傍に居続けた。

その日、楓摩は、目を覚ますことはなかった。