「朱鳥ー、様子見に来たよー」

そう言って病室に入るも返事はない。

寝てるのかと思い、朱鳥の近くに行く。

だけど、なにか様子が変だ。

「朱鳥?」

朱鳥は、頭を抱えて目を瞑っている。

寝てるの?

心配になり、少し呼びかけて、起こしてみる。

…それでも朱鳥は目を覚まさない。

揺すっても肩を叩いても起きない。

もしかして……気を失ってる!?

「朱鳥っ?朱鳥っ?」

本当に気を失っているようだ。

…どうしたんだろう……

ものすごく心配だ。

一応、聴診と検温だけする。

聴診は朝と変わらない。

だけど……

ピピピピピッ♪

ピピピピピッ♪

「っ…………」

俺は体温計の表示を見て絶句した。

そこに表示されていたのは

42.8

いくらなんでも、体温が高すぎる。

このままだと、命に関わる。

今すぐ熱を下げないと。

ナースコールですぐに冷えピタと大量の保冷剤を頼む。

解熱剤は、陽向を呼べば、多分察してくれるだろう。

"はい。どうしました?"

「清水です。すみません。至急、冷えピタと保冷剤、出来るだけたくさん。あと、モニターと、佐伯先生、呼んでもらえますか?」

"はいっ。わかりました。"

連絡を終えて、俺は今出来るだけの処置をする。

これ以上体温を上げないように、とりあえず、布団を捲って、それから、風通しを良くするために、服を開けていく。

「朱鳥、ごめんね。ちょっと恥ずかしいかもしれないけど、服開けるね」

それから、病室に置いてあったタオルで朱鳥の額の汗を拭き、それから洗面所でタオルを濡らして、朱鳥の額に当てる。

そして、看護師さんが来るまで、朱鳥の手をギュッと握っていた。

「ごめんね。ごめんね。辛かったね……」