朝から、体が怠くて重い。

それに、吐き気と頭痛もする。

しかも、楓摩に朝の回診で酸素マスクも着けられて、気分は下がるばかり。

もうすぐで朝ごはんの時間だけど…食べたくないな……

不思議と、食べなくてもお腹は空かないし、食べても苦しいだけだもん。

そう思いながら、ベッドの上で今日もひたすら、早く治療が終わる事を願っていた。

数分して、ご飯が運ばれてきた。

私の体調を考慮してか、最近はお粥ばかり。

食べなきゃいけないのはわかってるけど、やっぱり食べたくないよ。

スプーンは持ったものの、その気持ちが強いからか、ご飯には手が伸びない。

ジッとご飯を見つめてるだけ。

すると、少ししてまた、ドアがノックされた。

コンコンッ

ガラッ

「朱鳥ー、ご飯、食べれてる?」

こんな時間に楓摩だ……

この時間は楓摩はあまり来ることがないのに珍しい。

ていうか、楓摩がいたら強制的にご飯食べないといけないじゃん……

「朱鳥、ご飯食べないの?食べないと、栄養も体力もつかないよ?」

「……いらない…」

「なんで?」

「…食欲ないし、食べてもすぐ吐いちゃうから……」

私がそう言うと、楓摩は、スプーンに少しだけお粥を乗せて、私の口の前に持ってきた。

「お願い。食べて?そうじゃないと、近いうちに栄養不足で、鼻からチューブ入れないといけなくなっちゃうよ?」

チューブ…

それは、嫌だな……

絶対に痛いだろうし、なにより、怖いもん。

私は、それが嫌すぎて、しょうがなく、お粥を1口だけ食べた。

口に入れているうちはまだいい。

だけど、飲み込んだ途端、吐き気が襲ってくる。

必死に吐かないように頑張ったけど、我慢できなくて、桶に吐いてしまった。

…だから嫌だったのに……