次の日、昨日の夜から朱鳥の傍に居て、そのまま夜が明けた。

朱鳥は、まだ寝てるから起こさないようにそっと体温を計る。

ピピピピピッ♪

ピピピピピッ♪

38.0

昨日よりは下がったけど、それでもまだ高い。

俺は、冷えピタと、点滴の変えを取りに病室から出た。

すぐ、物を取って病室に戻ると、朱鳥は魘されていた。

苦しそうに涙を流し、頭を抱えている。

もう朝だし、起こしてあげた方がいいかな……

本当は、点滴を変えるのは朱鳥が嫌がるから、寝ているうちに変えてあげたかったんだけどな。

「朱鳥、朱鳥っ。おはよ。起きてー」

少しだけ肩を揺すってあげると、朱鳥はゆっくり目を開けた。

「おはよ。大丈夫?怖い夢見たの?」

そう言うと、朱鳥はコクンと頷いた。

「そっか。怖かったね。もう、大丈夫だから。」

そう言って、手を握ってあげる。

すると、朱鳥は俺の方を見て

「…………楓摩……熱い…」

と小さく言った。

「あー、まだ熱が高いからだね。今、冷えピタ貼ってあげるから。」

朱鳥の汗を拭いて冷えピタを貼る。

それから、いつも通り保冷剤も首周りなどにつける。

「どう?冷たい?」

そう言うと、朱鳥は小さく頷いた。

「じゃあ、あと点滴だけ交換させてね。」

そう言って、点滴を変えていく。

朱鳥は、珍しく、そこまで嫌がらなかった。

きっと、点滴の針を刺す痛みよりも、熱が高いことによる辛さの方がおおきいんだな。

「よし、じゃあ、今日も安静にして寝てな?動くのも辛いしょ?」

コクン

「うん。じゃあ、またあとで来るから。待っててね。」

そう言って朱鳥に手を振ると、朱鳥もわずかに手を振返してくれた。