「よし、着いたよー」

抱っこしたまま検査室まで行き、そのまま検査室のベッドに朱鳥を降ろした。

ベッドに腰掛けた朱鳥はとても不安そうな顔をしていた。

さっきまでの幸せそうな顔をみていたから、余計に胸が痛くなる。

「朱鳥、大丈夫。すぐに、終わらすからね。」

そういって、準備を始める。

今日は、陽向も手伝ってくれるから、スムーズに進む。

準備も終わり、後は検査をするだけ。

検査する方の俺まで緊張してきた。

深呼吸して、心を落ち着かせる。

「じゃあ、朱鳥。そこに横になってもらえるかな?」

コクっ

朱鳥は、なにも言わずにただ頷いて横になった。

そうとう不安なのだろう。

それでも、これは朱鳥の為。

心を鬼にしてやらなければならない。

「朱鳥、次はおへその方を見てエビさんみたいに背中丸くして?」

背中を丸めた朱鳥は、微かに震えているような気がした。

ゴム手袋をはめる。

陽向は、朱鳥の顔の方に座って手を握ってあげていた。

それだけでも、やっぱり安心するようだ。

「じゃあ、麻酔するね。少し痛むけど、危ないから絶対に動いちゃダメだよ。」