回診が終わり、また後で来るねと言って楓摩は部屋を後にした。

頑張るとは言ったものの、やっぱり不安なのは変わらない。

そんな事を考えていると、部屋がノックされた。

「朱鳥ー、検査の時間だよ。大丈夫?」

「……楓摩。」

「ん?どした?」

「楓摩……ギュッってして……?」

楓摩は少し驚いた顔をしてから、ニコッと笑ってくれた。

「いいよ。」

そう言うと、ベッドから抱き上げてそのまま抱っこしてくれた。

「朱鳥、今日は甘えん坊だね~」

と言いながら、子供をあやすみたいに背中をポンポンと叩きながら、ゆらゆらと揺すってくれる。

それだけで、とても安心する。

「……ん。楓摩ありがと。」

しばらくしてから、ベッドに降ろしてもらった。

「もう、大丈夫?」

「うん。大丈夫だよ!ありがと。」

「うん、じゃ行こうか。検査室で陽向も待ってるからさ。歩いて行く?それとも、抱っこしたまま行こっか?」

楓摩は、私ができるだけ不安にならないように気づかってくれてる。

少しだけ恥ずかしい気もしたが、お言葉に甘えて抱っこしてもらうことにした。