目を開けると真っ先に飛び込んできたのは、真っ白な天井と独特な消毒液のにおい。

それで、私は病院に居るのだとすぐにわかった。

今は何時だろう……

窓の外を見ると、もう暗かった。

夜……

私、今日何やってたんだっけ?

今日やったこと……というか、なぜ自分がここにいるのかもわからない。

でも、この体の怠さや重さからして、きっと楓摩に連れてこられたんだろう。

事情を聞くにしても楓摩はいない。

書き置きもないからわかんないじゃん。

仕方ないからナースコールを押す。

"はい。どうかされましたか?"

「あの…、目が覚めたんですけど……」

"あぁ。清水先生ですね。ちょっと待っててくださいね。今、呼びますから。"

「はい」

ナースコールを置いて、1度大きく深呼吸する。

すると

「ゲホッ……ゲホッ…ゴホッ」

喘息とは違う変な咳が出た。

それに、少しだけ胸が痛んだ。

なんだろう……

と思いながらも、楓摩が来たら言えばいい、と思って放っておくことにした。