私の予想では、この後みんな、"おはよう"って返してくれるはずだった。

だけど、現実は予想とは全く異なっていた。





「おはよう!!」

そう言った瞬間、私に突き刺さる奇異の目。

今まで話していてた人達もみんな一斉にこっち向いて、口を閉ざす。

それから、何秒かして、みんなは、ヒソヒソと何かを話し始めた。

「え…………」

私が、戸惑いながら突っ立っていると、茉夢が走ってきた。

「お、おはよう!!朱鳥!!やっと、来れたんだね!!」

「うん……」

そのまま、茉夢に促されて自分の席に座る。

すると、また、みんなが私の方を向く。

何か、冷たい目線。

それは明らかに、私を受け入れる雰囲気ではなかった。

それから、少しして聞こえてきた小さな声。

それは、周りの女の子たちが喋っているようだ。

去年は、違うクラスだった女の子。

「ねぇ、あの子誰?」

「え~、知らな~い」

「あれだよ、あれ。今年になってから1回も学校来てない子。」

「えっ、それヤバくね?」

「不登校じゃん(笑)」

「それで、あの堂々とした態度?ウケるんですけど(笑)」

私は、何も言い返せなく、ただ、俯いた。

本当は"違う"って言い返したかった。

だけど、怖くて言えなかった。

私が俯いていると、茉夢は私に声をかけてくれた。

「朱鳥、あんなの気にしちゃダメだよ!!あの子達、この学校でも特に性格悪いって言われてる人達だから。だから、気にしないで!!」

「……うん…そうだね。気にしない事にする。」

これ以上俯いていても、何も変わらない気がしたから、私は明るく振舞った。

すると、去年から同じクラスの子達が何人か来てくれて、私を心配してくれた。

でも、その度、去年他のクラスだった人たちは嫌な顔をする。

それから、またヒソヒソと有りもしない噂が聞こえてきた。