その日の夜中。

俺は、隣がモゾモゾ動く感じで目が覚めた。

隣を見ると、朱鳥が俺の服をキュッと握りながら顔を埋めている。

「……朱鳥?」

小さく声をかけると、朱鳥は顔を上げた。

朱鳥は、真っ赤な顔で苦しそうに咳をし始めた。

俺は、急いで朱鳥を起こす。

「朱鳥、大丈夫?喘息?」

コクン

そう頷いて、また、苦しそうに咳をする。

「1回、リビング行こっか。ちょっと、抱っこするよ」

朱鳥を抱き上げて寝室を出る。

リビングのソファに朱鳥を座らせて、俺は急いで吸入を取りに行く。

いつも置いてある場所から、吸入を取って、朱鳥に渡す。

「朱鳥、落ち着いて息するんだよ。ゆっくり深呼吸してごらん。」

そう言って、朱鳥の背中をさする。

5分程して、喘息の発作が落ち着いた朱鳥は、グッタリと俺にもたれかかった。

俺は、また朱鳥を抱き上げて寝室に向かう。

朱鳥は、まだ眠かったようですぐに寝息を立て始めた。

俺も、朱鳥の隣に寝て、朱鳥の様子を見る。

そっと、頭を撫でてやると、朱鳥はフニャりと笑った。