楓摩にベッドに寝かされて、布団を掛けてもらう。

まだ、検査をした腰のあたりはヒリヒリと痛む。

それに、さっき吐いたこともあって、頭も痛くて、体もだるい。

そのせいか、油断をしたら、今にも泣いてしまいそうな気分だ。

楓摩は、ベッド横の椅子に座って、私の頭を撫でる。

「朱鳥、よく頑張ったね。偉いよ。これで、明日、帰れるからね。」

そう言って、ニコッと微笑みかけてくれる。

でも、私の顔は浮かないまま。

それを見てか、楓摩は心配そうな顔をして私の頭をもう1度撫でた。

「……朱鳥、さっき、吐いちゃったでしょ?どうした?やっぱり具合悪かったの?」

私は、首を横に振る。

具合は悪くなかった。

ただ、ものすごく緊張しちゃって、途中で、冷や汗が出てきて目の前がボヤけて、吐き気が襲ってきた。

「…もしかして、朱鳥緊張してた?」

コクン

「あー、じゃあ極度の緊張から来るものかな?」

「……そう…なの?」

「うん。多分ね。人は極度の緊張をすると、目眩とか吐き気、冷や汗を出したりする事があるんだ。だから、多分それかな。」

そう言ってから、楓摩は私の手を握った。

「まだ、吐き気とか目眩とかするようだったら寝てな?俺も、もうちょっとここに居れるから手 繋いでてあげるから寝な。」

コクン

私は、そう、素直に頷いた。