コンコンッ

「はーい」

ガラッ

「あ、朱鳥ちゃん!!もう、元気になったの?」

「うん、もう大丈夫。」

楓摩にお願いして、車椅子を借りて愛依ちゃんの病室に来た。

「朱鳥ちゃんが元気になってよかった。あたし、心配してたんだから!」

「ありがとう。愛依ちゃんも、もう元気みたいでよかった。」

「うん!!陽向先生と楓摩先生のお陰だね!!」

愛依ちゃんは本当に嬉しそうな笑顔を浮かべた。

これを見ると、余計に切り出しにくくなる。

でも……

「ねぇ、愛依ちゃん…………」

「ん?どうしたの?」

「あのさ……」

「うん」

「………………愛依ちゃんって、今でも楓摩の事好き…?」

やっぱり、言えなくて、話を逸らしてしまう。

「えっ?うん、好きだよ?」

だよね……

言い難くて、俯いてしまう。

「……………愛依ちゃん……ごめん。」

「えっ?」

「私、愛依ちゃんに一つ言ってなかった事があるの…………」

「え……」

「私…ね……………………………楓摩…と…………」

「やめてっ!!」

愛依ちゃんの方を向くと愛依ちゃんは、俯いて耳を塞いでいた。

「やだ、もういい。言わないで。」

「……ごめん………………」

「…………」

「愛依ちゃん……私………」

「ごめん。出てって。今は……話したくない…………」

あ……

やっちゃった。

もう、友達には戻れないのかな……

「ごめんね」

そう言って私は、そっと病室を出ていった。

泣きたいのは愛依ちゃんの方のはずなのに、何故か私の方が涙が出てくる。

ごめんね…愛依ちゃん…………