手術が終わって二週間。

私は、自由に歩く事も許されて、今日は朱鳥ちゃんの病室へ来ている。

朱鳥ちゃんは、明日からまた、治療が始まると、悲しんでいた。

私は、なんとか励まそうと声をかける。

「朱鳥ちゃん、頑張ってね!!あたしも、頑張ったから!!頑張ったら、きっと治るよ!!」

「…うん、そうだね。ありがとう。私も、頑張るね。早く、治って退院……したいな…………」

そう言った朱鳥ちゃんの目には少しだけ寂しさが浮かんでいるようにみえた。

「朱鳥ちゃんは、治ったらしたい事とかあるの?」

「……んー、特にはないかな。退院して、暮らせるだけで幸せだからさ。」

「そっか」

「愛依ちゃんは?したい事、あるの?」

私は、前から決めていたことがある。

手術が終わったらするって決めていた。

「うん!!あたし、手術するって決めた時から決めてた事があるんだ。……あたし、治ったら絶対に楓摩先生に告白するんだって!!叶わないって、わかってても、少しだけの希望を持って、告白するんだ!!」

「え…………」

「ん?どうかしたの?」

「……いや………………ちょっと…」

朱鳥ちゃんは、浮かない顔だ。

もしかして、朱鳥ちゃんの好きな人……って…………

いや、そんな訳ないよね!!

大丈夫だよ!!きっと!!

あたしは、そう考える事にした。